本の感想です。 

こんにちは~。2代目カズートです~。


最近ね、就職活動とかでほぼ毎日東京に行くのでね、電車の移動時間を無駄にしないためにと、読書がものすごくはかどっております。



最近社会人になるのを意識して、ビジネス書を読みがちだったんですけど、やっぱりあんまり面白くないんですよね !


間違いなくためになってるけど、面白くない。
ビジネス好きな人だと面白く感じるのかい?


やっぱり小説ですよ。小説。




というわけで、今回読みましたのは

「風に舞い上がるビニールシート」


この本は、6つの独立したお話で成り立っています。



一本目  器を求めて

パティシエ・ヒロミの作るお菓子の味に魅せられた弥生が、彼女の味を世に広めるためならと奔走する話でした。

恋愛運のないヒロミは、恋に失敗する度に弥生に無理を言い付けます。


現実世界でもこんなことは本当にあるのでしょうか?

就活真っ最中の僕としては、こんな人が居るところは選びたくないですが…笑

それでも彼女のケーキ作りの腕は天才のそれであり、実力と人間性というのは、噛み合っていないことも時にはあるのでしょう。




ただし、本作では、そんなヒロミの人間性に嫌気をさし、離れていった人間が何人もいると書かれている点がグッドですね!

やはり、特別な才能や技能だけではなく、多くの人から尊敬されるような人間性を併せ持ってはじめて、多くの人が付いていきたいと思うのでしょう。



また、この物語では、終始、弥生がその彼氏である高典を鬱陶しく感じている様子が表現されていますが、(少なくとも僕はそう感じた。)それでも別れるといった感情は沸き起こって来ていない様子に驚かされました。

現実ではどうなのでしょうか。

高典の物言いは男である僕をして、控えめに言ってぶん殴りたくなるようなものでしたが、弥生はそれを特に真剣に受けとることもなく、最終的にはケーキを買って帰れば機嫌も治るだろうと気楽に考えていました。

驚きです。


個人的には、その後、高典がケーキで機嫌を治したとは思えませんし、
その方が物語的に面白いと思います。笑

岐阜の窯元で修行をしていた若いお兄さんと関係を持ってもなんら不自然ではない流れだったと思いますし!




最後に僕がこのお話から感じ取ったものをまとめると、弥生のように自分が何のために働いているのかを明確にできる自分でいたいな、というところでしょうか。



2本目 犬の散歩


このお話は、捨て犬の保護にボランティアとして取り組んでいる恵利子が、どういった経緯でそこに至り、どんな心境でそれを行っているのかについて書かれたものです。


本作では、犬の殺処分に関する悲惨な現実が出てきますし、保護施設のリアルな雰囲気が、作者の筆を通して滲み出ていました。

犬だってもちろん、飼い主に捨てられ、今までと全く違う環境に行きなり放り込まれると不安で不安で仕様がなくなるのです。

僕もいつかお金に余裕ができたら、自分の目で見に行きたいですね。今すぐいけないのは単純に自分の心の弱さだと思います。

そして、そんな恵利子の回りには、共に活動をする仲間、好意的に活動を受け入れてくれる人、また、人が苦しんでるのに犬を救ってなんになると蔑む人まで、様々です。

そんな現実を突きつけられても、自分はもう出会ってしまったのだからと折り合いをつける恵利子の強い心が印象的でした。


スナックの常連で、毎回一本三万円のドンペリを開ける浜尻に、犬は私にとって牛丼だと語る恵利子になんとなくシンパシーを感じました。





なぜなら僕にとってはバイクが、先輩にとっての牛丼のようなものですから!




3000円の飲み会一回行くなら30分走れるとか

2万円分の服を買うならタイヤを買うとか






書いてて怖くなってきました。ははは。汗



とにかく!彼女のように、悲劇を知ってしまって、でもそれはほんの少しかもしれないけど、自分の行動で変えることが出来るかもしれないと信じ、行動することは本当に美しいと思います。


私たちはいつ、どんな不幸が襲ってくるかわかりません。

この日本にいるかぎり、近いうちにそんなことはそうそう起こらないかもしれません。

しかし、自分が与えられる余裕のある限り、それをすることはとても美しいことなのではないでしょうか。



それはお金だけではありません。
小さな行動が、なにかを救えるかもしれない。


今の僕には、世界に溢れる不幸を正す余裕はありませんが、社会に出て働いて、少しでも自分の力をそちら側に回す余裕を持てる人間になりたいです。






3本目、ニシナミユキ


この話に関しては、単純にアニメ化してほしい。


ニシナミユキのイメージが気になります。

このお話のポイントは

金のための大学と豪語するものの、結局は根っからの文学少年で、文学を語ることを本当に求めていた裕介。

仕事でミスをしてつまらない職場に回されたことを嘆くのではなく、その時間を有意義に使うことに、そして自分と同じような立場にいる学生を助けることに幸せを感じていたニシナミユキ。


彼らのように、心の底にある求めるものとは、人それぞれで、

それを素直に感じとることが幸せになるための道なんじゃないかと思います。




4作目 鐘の音


いやこれは天晴れ、鐘の音という題名と、最後の最後でオチが関係してたというね。上手い。


途中まで仏像の話ばかりで、
鐘の音が鬱陶しくて子どもたちに怒鳴った場面でしか鐘は触れられてなかったのに、
その仏像に守られたであろう娘のウェディングベルを、
その仏像に守られたと言うことを潔が知った日に聞きに行くという、美しい構成でした。



まああとのポイントはあれですね、
潔と吾郎が、どちらが幸せなんやろな、という場面。




これは僕にとってはこの作品のメインメッセージです。


後から振り返ってみても、どっちが幸せかなんて判断できないんです。



"未来は見るべきだが、固執するな。"










いい言葉です。今考えました。










4作目  ジェネレーションX



正直に言おう。








泣きかけた。



10才の頃からプロを夢見て白球を追い続けていたものの、大学一年でその夢を諦めた僕にとっては…


やめて以来こっち、一度も野球したいなんて気持ちは涌いてきませんでしたが、この話を読んで久々に野球がしたいです。



石津はなんて素晴らしい仲間と野球ができたのでしょう。


僕の仲間も大好きでしたが、今一野球愛が足りませんでしたね。僕を含めて…




「10年のうちにたった一度、みんなと野球が出来ないような人生はごめんだよな」
「10年のうちで1日くらい、野球のために全て投げ出すようなバカさ加減はキープしたいよな」






あ、書いてて泣きそうになってきました。


僕もまた、高校時代の仲間と野球ができる日が来るといいな、なんて思います。難しいだろうけど!



6作目 
風に舞い上がるビニールシート



表題の作品ですが、流石の一言。




日本からは見えにくいけど、世界で毎日のように飛んでいく数多くのビニールシート。


それを救うことを自らの使命と信ずる男エド


その男に心から惚れてしまった里佳。


 

少年時代、はだの温もりを知らずに育ったエドが、最後にそれを知って旅立っていったことを知り、里佳がフィールドワークに行くことを決意するラストに感動させられました。


信念が大きすぎると、彼らのように双方の願いが正反対になることもあるのですね。


個人的に、エドが離婚を予見できなかったことは意外です。

彼もそれなりの未熟さを持ち合わせていたということなのか。

はたまた里佳を本当にフィールドワークに連れ出せる自信があったのか。


エドのみぞ知る。というより、エド本人ですら知らないかもしれません。



人間は非合理的な行動が好きですからね。





まとめ

この本では一貫してコアメッセージが一つに絞られてたのがよかったと思います。

6作の主人公全員が、何かしら自分にとって大切なものを持って、それをおろそかにしないこと。それのために生きること


それはなんでもいい、

美味しいケーキを世に広めること
捨て犬を保護すること
仏像に真の姿を取り戻すこと
文学を考察し議論すること
仲間と約束した野球をすること
世界で散っていく命を救うこと



これこそが、人が生きる意味になるんじゃないかな、なんて思います。

 



はい、というわけで、
初の読書感想記事でした!


いかがでしたかね。
まあ幼稚な感想と言われればその通りなのですが、それでいいと思うんです!


本を読み、感じたものを言葉にして書き起こす。


思考のトレーニングになりますし、後で読み返せます。


なによりこれを読んでからこの本を読んでくれる変わったかたも世界にはいらっしゃるかもしれません!笑


予想以上に時間がかかってしまいましたが、これからも一冊読むごとに、その感想と僕の考えをここにしたためていこうと思います。


読んでくださった皆様、ありがとうございました!

もしあなたが本好きなら、なるべく高頻度で更新しようと思いますのでまた覗きに来てください!


あと、おすすめの本があれば教えて下さい!
今金欠なんでいつ読めるか分からないですけど、いつか必ず読んでここに感想を書きますので!


それではまた!